CAF 2007
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 国立新美術館に会場を移して初めてのICAFが、9月23日、27日、28日、30日の四日間にわたって開催されたので言ってきました。四日間、鑑賞できた部分だけの簡素なレポートを掲載します。

○特別プログラム「プチョン国際学生アニメーション・フェスティバル受賞作品集」
 開会式が早めに終わり、特別プログラムは予定よりも早く(!!!)開始されました。特別プログラムは、昨年のプチョン国際学生アニメーション・フェスティバル受賞作品集。去年の広島で上映された作品も多く入っています。広島でもコンペインの"Solo Duets"(Joseph Feltus)は盲目のピアニストの話。人形アニメーション。何度みても話がよくわからず。人形のアニメートのぎこちなさは動きに対する感覚の鈍さを証明しているような気がします。物語や雰囲気のための記号としての動きでしかないのではないかなあ。
 グランプリの"Walking in the Rainy Day"(Choi Hyun-Myeong)は、傘が壊れ雨宿りを余儀なくされる少女がカエルの化け物と一緒に空を飛ぶ空想に耽るお話。特に悪い作品ではなかったが、これがグランプリと言われるとちょっと「?」が出てしまいます。
 広島でデビュー賞の"Birdcalls"(Malcolm Sutherland)には何度みても飽きることがない新鮮さがあります。留守番電話に残された鳥たちの伝言を解読していくと、そこから世界の変容が伝わってくる。現代では鳥の声も街のなかに埋もれてしまうのです。視聴覚的融合はアニメーションの古くからの伝統ですが、そこから世界が透けてみえてくるような構成というのはかなり斬新なのではないでしょうか。
 "Birdy"(Dennis Furrer)はロードランナーとワイリー・コヨーテの現代版(というほどでもないか)。ただし、鳥の方がひどい目に遭いつづける。ワイリー・コヨーテの場合はロードランナーを追いかける理由がはっきりしていた。でもこの作品ではよくわからず。それゆえになんだか少々気分が悪くなります。
 こちらも広島でみた"Can you go through?"は少女の成長を象徴的イメージで描いていく作品。3DCGならではつるつるの質感で描かれたちょいキモのキャラクターが活躍する作風は、日本だと『鈴の名は』などの諸藤亨を思い出させる。こういう上映会はDVD上映でつるつるの映像で上映されるものだから、そこにはぴったり合っていてプラス。(逆にいえば、マイナスに作用している作品もあるはず。おそらく多く。)

○Aプログラム(東京芸術大学)
 "A Beautiful World"(阿部香)は街を洪水で沈めてしまった鳥の話。思わず漫☆画太郎を思い出してしまう画風でした。"スペースネコシアター"(青木純)。この作家の作品は何個もみているが、だんだんとパロディー色が強くなっていっている気がします。今日のものはCMとテレビショッピングのパロディーのオムニバス。パロディーとはある堅固な対象とのズレから笑いをとるものだが、その対象としているものがあまりきちんと共有されておらずアクチュアルでないと面白いと思えないものです。ディズニーも昔、映画スターが大勢登場するパロディー作品を作っていたが、今みるとまったく面白くない。(あれで笑うとすれば、パロディーの対象となっている元ネタを知っているぞ、と周りにアピールするために笑うくらいしかないのでは。それは本当の笑いではありませんよね。身体に悪そうな笑い。)なんだか長々と書いてしまいましたが、簡単にいえば、少し古いな、と思ってしまったということです。"コタツネコ"は仕事の丁寧さもあって何度かの鑑賞に耐えうる作品だったんですが、ドローイングものは絵柄もあって少し厳しい。とはいっても、ドローイングでも"走れ!"や"おしるこ"のような佳作もあるのですけれども。
 "Birthday"(半崎信朗)は、ある一人の少年の誕生までを、生物の進化の歴史を辿ることで振り返る作品。1:30というコンパクトな時間でとてもテンポよく展開していく良作。イメージの流動に身を任せることのできる作品。"The Clockwork City"(加藤隆)は、22分の意欲作。技術レベルの水準の高さは一目瞭然なのですが、既視感の漂う設定とあまりに図式的すぎる展開、説教臭さがその魅力を削ぎ落としている印象です。世界に対する態度ではなくて、世界に対する既存の言説をそのまま辿った態度というのはよくないのではないでしょうか。

 Bプログラムは観ることができませんでした。すいません。本会場の隣にある研修室では、すべての学校の作品が上映されています。見逃したとしてもそこでまた観るチャンスはあります。(主に自分に向けてのコメントです。) (土居伸彰>2
 

関連サイト
ICAF公式ホームページ
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